SNSやテレビで話題になっているピラティスですが、いざ始めてみようと調べ始めると、マシンピラティスとマットピラティスのどちらを選べばいいのか迷ってしまいませんか?
特に、これから運動習慣をつけようと考えている方にとって、自分に合っているのがどちらなのか、効果や費用の面で損をしたくないと考えるのは当然のことです。
実は、一般的にイメージされがちな見た目の難しさと、実際の身体への負担や難易度は逆である場合が多く、ここを誤解したままスタートしてしまうと挫折の原因になりかねません。
この記事では、それぞれの具体的な効果や違いを整理し、あなたの目的に最適な選択肢が見つかるようサポートします。
- マシンピラティスとマットピラティスの決定的な違いと選び方
- 運動が苦手な初心者こそマシンを選ぶべき明確な理由
- ダイエットや姿勢改善の効果を実感できるまでの期間の目安
- 失敗しないピラティススタジオ選びの具体的なチェックポイント
結論:初心者にはマシンピラティスがおすすめな理由

これからピラティスを始める方の多くが抱く「マシンは上級者向けで難しそう」というイメージ。
実は運動生理学的な観点から見ると、初心者にこそマシンピラティスが推奨される明確な理由が存在します。まずはその核心部分から解説していきます。
結論を先に言うと
ピラティスを始めるにあたって最も大切なのは、「自分の身体を正しくコントロールできるか」という点です。
結論から言えば、運動経験が少ない方や体力に自信がない方ほど、マシンピラティスの方が圧倒的に始めやすく、効果も感じやすい傾向にあります。
これはマシンピラティスが優れていてマットピラティスが劣っているという話ではありません。
マットピラティスは素晴らしいメソッドですが、道具を使わず自分の体重と重力のみをコントロールする必要があるため、実は基礎的な筋力や身体感覚が備わっていないと、正しいフォームを維持するのが非常に難しいのです。
「マシン=負荷をかけるもの」ではなく、「マシン=身体を助けてくれるもの」という認識を持つことが、ピラティス選びの第一歩です。
なぜ初心者はマシンの方が失敗しにくいのか
初心者がマシンピラティスを選ぶべき最大の理由は、マシンに備わっているスプリング(バネ)の存在です。
このスプリングが、筋力が足りない部分を補助(アシスト)してくれるため、無理なく正しい動きを行うことができます。
例えば、腹筋運動のような動きをする際、マットの上で首や腰に余計な力が入ってしまいがちです。
しかしマシンであれば、スプリングやストラップが身体を支えてくれるため、ターゲットとなるお腹の筋肉だけに集中してアプローチすることが可能になります。
マットピラティスで「首が痛くなった」「腰が痛くなった」という経験をする方がいますが、これは多くの場合、支えるための筋力が不足している状態で無理に動いてしまったことが原因です。
マシンピラティスとマットピラティスの違い

ここでは、具体的にどのような道具を使い、どのようなプロセスで身体に効果をもたらすのか、その構造的な違いを深掘りしていきます。
単なる見た目の違いだけでなく、身体にかかる負荷の質そのものが異なります。
使う道具の違い
マットピラティスは、ヨガマット程度の厚さのマットの上で、基本的に自分の身体一つで行います。
ボールやセラバンドといった小道具(プロップス)を使うこともありますが、基本は重力に対する自重運動です。
一方、マシンピラティスでは「リフォーマー」と呼ばれる専用のベッド型マシンを中心に、「キャデラック」「ワンダチェア」「バレル」など、多種多様な機器を使用します。
これらはすべて、スプリング、ロープ、滑車などの物理的な機構を備えており、身体の動きをガイドしたり、負荷を調整したりする役割を持っています。
これらのマシンはもともと、戦争で負傷した兵士がベッドの上でもリハビリを行えるように開発されたものです。つまり、「動けない人を動けるようにする」ための工夫が詰まっているのです。
効果の出方の違い
効果の現れ方にも明確な違いがあります。
マシンピラティスは、マシンのガイドによって強制的に正しいフォームへ導かれるため、狙った筋肉にピンポイントで効かせることが容易です。
そのため、ボディラインの変化や姿勢の改善といった目に見える効果が比較的早く現れる傾向があります。
対してマットピラティスは、全身を連動させてバランスを取る能力が養われます。
身体の深層部にあるインナーマッスルで常に姿勢を安定させる必要があるため、体幹の持久力や、日常生活での身のこなしが洗練されるという効果があります。
ただし、正しいフォームを習得するまでに一定の時間を要するため、身体の変化を実感するまでには根気が必要です。
初心者がつまずきやすいポイントの違い
初心者が挫折するパターンの違いを理解しておきましょう。
| 種類 | よくある失敗・悩み | その理由 |
|---|---|---|
| マットピラティス | 「どこに効いているか分からない」「余計な場所が痛い」 | フォームの正誤を判断する基準がなく、自己流になりやすいため。 |
| マシンピラティス | 「使い方が覚えられない」「設定が面倒」 | マシンの調整が必要なため。ただし、インストラクターがいれば解決しやすい。 |
このように、マットピラティスの難しさは「身体感覚」に依存するのに対し、マシンピラティスの難しさは「器具の操作」にあります。
操作は教わればすぐに慣れますが、身体感覚を養うには時間がかかるため、継続のしやすさという点でもマシンに分があると言えます。
マシンピラティスで期待できる主な効果

マシンピラティスを継続することで、具体的にどのような身体の変化が期待できるのでしょうか。
2025年の最新のフィットネストレンドにおいても注目されている、主な効果を解説します。
姿勢改善(猫背・反り腰)
マシンピラティスの最も代表的な効果の一つが姿勢改善です。
現代人の多くが悩む猫背や反り腰、巻き肩などは、骨格の配列(アライメント)が崩れていることが原因です。
マシンピラティスでは、背骨を一つひとつ動かすような繊細な動きや、骨盤を正しい位置(ニュートラルポジション)に保つトレーニングを繰り返し行います。
マシンのガイドがあることで、普段の生活で凝り固まった癖が修正され、無理なく自然な美しい姿勢へと整っていきます。
体幹・インナーマッスル強化
「ピラティス=体幹トレーニング」というイメージ通り、深層筋肉(インナーマッスル)の強化に非常に効果的です。
特にマシンを使う場合、手足がロープやバーで支えられた不安定な状態で動くことが多いため、身体を安定させようと無意識に体幹が働きます。
ムキムキのアウターマッスルではなく、コルセットのように身体を内側から支える筋肉が鍛えられるため、ウエストが引き締まり、疲れにくい身体作りにつながります。
ボディラインの変化
マシンピラティスは「部分痩せ」のようなボディメイク効果も期待できます。
スプリングの負荷を調整することで、二の腕、背中、内もも、ヒップなど、気になる部位に集中的にアプローチできるからです。
特に脚のラインに関しては、リフォーマーを使った「フットワーク」という動作で、股関節・膝・足首のねじれを修正しながら動くことができるため、O脚やX脚の改善、前ももの張りが取れたスラッとした脚を目指す方に最適です。
肩こり・腰痛の軽減
肩こりや腰痛の多くは、姿勢の崩れや特定の筋肉の使いすぎによって引き起こされます。
マシンピラティスでは、肩甲骨周りの可動域を広げたり、背骨の柔軟性を取り戻したりする動きが豊富に含まれています。
身体のバランスが整うことで、局所にかかっていた負担が分散され、慢性的な不調が解消されていくケースが多く見られます。
リハビリ生まれのメソッドだからこそ、身体に優しく、痛みのない範囲で動かすことができるのも大きなメリットです。
マットピラティスが向いている人の特徴

ここまでマシンのメリットを強調してきましたが、マットピラティスにも独自の良さがあり、向いている人にとっては最高の選択肢となります。
ある程度運動経験がある
ダンス、バレエ、ヨガなどの経験があり、自分の身体をどのように動かせばよいかある程度理解できている方は、マットピラティスでも十分に効果を感じられます。
「腕を上げて」と言われたときに、肩をすくめずに腕だけを上げる感覚が分かるレベルであれば、マットの自由度の高さを楽しめるでしょう。
自宅でも続けたい
「スタジオに通う時間がない」「自宅で手軽に運動したい」という方にはマットピラティスが最適です。
マット一枚分のスペースがあれば、いつでもどこでも実践できます。スタジオで習った動きを自宅で復習し、習慣化することで、生活の一部として定着させやすいのが魅力です。
感覚重視で動ける
マットピラティスには「フロー(流れ)」と呼ばれる要素があり、動きを止めずに流れるようにエクササイズを続けるスタイルが多く見られます。
マシンのように設定を変える時間がないため、集中力を切らさず、瞑想に近い状態で自分の身体と向き合いたい方に向いています。
マシンピラティスが向いている人の特徴

改めて、どのような人がマシンピラティスを選ぶべきかを整理します。もしあなたが以下の特徴に当てはまるなら、迷わずマシンから始めることをおすすめします。
運動初心者・体が硬い
「身体が硬くて前屈もできない」「腹筋が一回もできない」という方こそ、マシンの恩恵を最大限に受けられます。
身体が硬い人にとって、マットの上で座る姿勢を保つこと自体が苦痛な場合がありますが、マシンを使えばスプリングの力で身体を支えたり、可動域を少しずつ広げたりすることが可能です。
正しいフォームで効果を出したい
せっかく時間とお金をかけて通うなら、確実に効果を出したいと考えるのは当然のこと!
マシンピラティスは「代償動作(間違った筋肉を使ってしまうこと)」が起きにくい構造になっているため、「なんとなく動いているだけ」の時間を極力減らし、効率的に理想の身体へ近づくことができます。
一人だと続かない
マシンピラティスはスタジオに行き、専用の機器を使う必要があるため、ある種の「強制力」が働きます。
「予約したから行かなくては」という動機付けになりやすく、またスタジオに行けばインストラクターや他の会員がいるため、モチベーションを維持しやすい環境があります。
初心者が失敗しやすいピラティススタジオ選び

ピラティスの人気に伴い、スタジオの数も急増しています。
しかし、中には初心者にとってハードルが高いスタジオや、期待したような指導が受けられない場所も存在します。ここでは失敗の典型例を見ていきましょう。
価格だけで選ぶと失敗しやすい
「安いから」という理由だけで、大人数のグループレッスンのみを提供するスタジオや、設備が不十分なスタジオを選ぶと、結局正しい動きが身につかず、効果を感じられないまま退会してしまうことになりかねません。
特に初心者のうちは、ある程度のコストをかけてでも、少人数制や指導が手厚い環境を選ぶ方が、結果的にコストパフォーマンス(費用対効果)は良くなります。
マシンがあっても指導力が低いケース
スタジオにリフォーマーが並んでいても、インストラクターがマシンの操作説明に終始してしまい、個々の身体の癖やフォームの修正まで手が回っていないケースがあります。
マシンはあくまで道具であり、それをどう使うかを導いてくれるインストラクターの質が非常に重要です。
初心者対応していないスタジオの特徴
上級者向けのハイレベルなクラスが中心のスタジオや、独特の専門用語ばかり飛び交うスタジオは、初心者が入ると萎縮してしまいがちです。
また、入会前のカウンセリングや体験レッスンでのヒアリングが浅い場合、個々の悩み(腰痛がある、運動不足など)に配慮してもらえない可能性があります。
失敗しにくいスタジオを選ぶためのチェックポイント

数あるスタジオの中から、自分に合った「失敗しないスタジオ」を見つけるために、必ずチェックしておきたいポイントをまとめました。
インストラクターの指導経験
公式サイトなどでインストラクターの経歴や資格を確認しましょう。ピラティスには国際的な資格団体がいくつかあり、それらの資格を保有しているかどうかも一つの目安になります。
また、研修制度が充実している大手のスタジオであれば、一定の指導レベルが担保されていることが多いです。
初心者向けプログラムの有無
「Basic」「Intro」「初心者歓迎」といったクラスがスケジュールに多く組み込まれているか確認しましょう。
また、入会直後の数回はマシンの使い方を丁寧に教えてくれるオリエンテーションがあるかどうかも重要です。
体験レッスンがあるか
入会前に必ず体験レッスンを受けましょう。実際にマシンに触れてみて、「楽しい」と感じられるか、スタジオの雰囲気や清潔感、インストラクターとの相性はどうかを肌で感じることが大切です。
体験レッスンでは、「分からないときに質問しやすい雰囲気か」を確認してください。初心者が置いてきぼりにされない環境かどうかが分かります。
通いやすさ・続けやすさ
どんなに良いスタジオでも、通うのが億劫になる場所では続きません。
自宅や職場からのアクセス、予約の取りやすさ、キャンセル規定などを確認し、自分のライフスタイルに無理なく組み込める場所を選びましょう。
【地域別】マシンピラティスができるスタジオを探す
お住まいの地域や職場の近くで、評判の良いマシンピラティススタジオを探してみましょう。以下のリンクから、各エリアのおすすめスタジオ情報を確認できます。
まとめ:迷ったら体験レッスンから始めればOK
マシンピラティスとマットピラティスの違いについて解説してきましたが、頭で考えるよりも、実際に身体を動かしてみることで分かる感覚が何よりも重要です。
「自分には難しそう」「ついていけるか不安」と悩んでいるなら、まずはマシンピラティスの体験レッスンに足を運んでみてください。
スプリングに身体を預け、背骨が伸びる気持ち良さや、普段使っていない筋肉が目覚める感覚を味わえば、きっと「これなら続けられそう」という自信が湧いてくるはずです。
最初から完璧な選択をする必要はありません。まずは一歩踏み出して、自分の身体が変わっていく楽しさを体験してみてください。それが、理想の自分への最短ルートになりますよ!