2024年から始まった新NISA。「新NISAが始まったことを機に投資を始めた」という方も少なくありません。そんな、投資経験の少ない方にとって動揺しやすいのが「下落局面」です。
大切なお金を投資に回した結果、急な下落によって刻々と数字が下がっていくのは、非常に怖く感じるもの。さらに、元本割れまでしてしまうと、一層恐怖感が強まりがちです。
そんな、投資初心者が株価急落の動きに敏感に反応し、次々に売却した人のことを「損切り民」と呼び、一時期Xや5chなどで話題になりました。
初心者を揶揄する風潮は決して良いものではありませんが、投資に対する理解・経験が少ないからこそ起きてしまったともいえます。下落局面にこそ、冷静な対処がカギです。
ここでは、一時期話題になった「損切り民」について、含み損・含み益と損益確定などを解説します!
【新NISA】なぜ?X・5ch・なんJなどで話題の損切り民とは!
まずは、X・5ch・なんJなどで話題となった「損切り民」とは何かからご紹介します。損切り民とは、文字通り損切りをした人たちです。
損切りとは、投資家が保有する株式などの価格が下落し続けたとき、これ以上損益を増やさないようにするため売却し損益を確定すること。
損益を増やさないようカットすることから「損切り」となります。
損切りは「ロスカット」「ストップロス」とも呼ばれ、回復の見込みがない場合は、早めに行なったほうが良いと言われている方法です。
話題になった「損切り民」とは、2024年に新NISAが始まって投資初心者が増えた矢先、同年4月に日経平均株価が下落。
その際、下落の経験のない人たちが焦ってパニック売りをしたことを揶揄し「損切り民」という言葉が話題になりました。
スマホやPCからいつでも情報を確認でき、簡単に売却までできるようになったのも、パニック売りに繋がりやすかったのでしょう。
あまり褒められた言葉ではないものの、損切りがどういうものか知れ渡るきっかけになったのは、怪我の巧妙といえるかもしれません。
【新NISA】損切りは損益確定ってどういうこと?含み損・含み益も解説!
「損切り=損益確定」とはどういう意味か、含み損・含み益も交えて解説します。損切りは、株式などが損失を抱えた状態で売却することです。
売却前は、あくまで損益は確定していません。確定していないので、購入時より価格が下落している状態での損失は「含み損」と呼びます。
その逆で、購入時より価格が上がっている状態での利益は「含み益」と呼ぶんです。
ちょっと紛らわしいですが、売却していない限り損益・利益は確定しておらず、損失分を「含み損」利益分を「含み益」となります。
つまり、売却をしなければ含み損のままとなります。損切りを行う(売却する)ということは、損益を確定させるということです。
【新NISA】成長投資枠・個別株などは関係ない!下落局面の損切りは冷静に!
参照:Googleファイナンス NYダウ推移グラフ *1
新NISA口座や一般口座はもちろん、成長投資枠・個別株・つみたて投資枠などといった違いには関係なく、下落局面の損切りは冷静に行うことが大切です。
なぜなら、乱高下は定期的に起こっていることで、過去にはリーマン・ショックやコロナショック時にも急落しました。
加えて、経済による要因だけではなく、アメリカの同時多発テロが発生した際にも下落しています。ですが、いずれの場合も5年程度で回復し、さらに上がり続けているのです。
とはいえ、成長投資枠・個別株は、つみたて投資枠の投資信託と性質が異なります。場合によっては、早く損切りするのが良い場面もあるでしょう。
ただ、焦って決断するのは良くありません。
一概にこうだとは断定できませんが、下落局面だからすぐに損切りするのではなく、長い目で見てどう変わっていくのか?を冷静に判断する必要があります。
いつどこで急落するかはわかりません。だからこそ、前もっていくつかの想定を作っておき、その時に冷静になれるよう備えておくのがおすすめです。
【新NISA】損切りするかの参考にブログやYahoo!知恵袋を読むのもあり!
損切りするかの参考として、ブログやYahoo!知恵袋を読むのも手段の一つとなります。
とはいっても、どこの誰かわからない人の話を鵜呑みにするのは危険ですが、客観視するために参考とするのは良いでしょう。
もちろん、情報の確かなニュース記事も併せて読み、ファクトチェックも怠らないようにしてください。
また、昨今は有名投資家がYouTubeやXなどの媒体で情報発信していることもあります。判断が難しいなら、経験豊富な投資家がこの局面をどう見るのか?を参考にするのも方法です。
それと、SBI証券には「SBIマネープラザ」楽天証券には「with アドバイザー」という、運用の相談に乗ってくれるサービスも用意されています。
普段からこういったプロに相談していれば、困った時にも頼りになるでしょう。
損切りは冷静な状態で判断したほうが良いですから、参考としてブログやYahoo!知恵袋、有名投資家の見解などを活用するのも選択肢です。
【新NISA】損切りする前に!投資金額の見直しも重要!
損切りをする前に、投資金額の見直しも重要なポイント。急落したことで怖く焦ってしまうのは、もしかしたら身の丈に合わない金額を投資へ回しているから…という可能性もあります。
投資金額は適正なのか?今一度考え直すのも良いでしょう。
「生活費や学資保険など」「〇〇購入時には売却するつもり」というような使用予定のあるお金なら、下落した時に焦るのは必至です。
完全な余剰金というと線引きが微妙なところもありますが「下落してもライフプランには支障のない金額」「焦らない金額」に留めておくのも戦略といえます。
損切りをするなら、併せて投資金額の見直しをするのがおすすめです。
【新NISA】下落のタイミングは買い時でもある!
損切りしたくなるような下落のタイミングは、買い時であることも忘れてはいけないポイントです。下落しているなら、安く買えるチャンスでもあります。
こちらも「下落したからたくさん買っとこう!」というような衝動買いは禁物。冷静に判断し、無理な金額を投資しないことはいうまでもありません。
できれば、普段から下落した場合に狙う銘柄リストや優先順位などを決めておくと良いでしょう。
じっくり考慮した銘柄をピックアップしておけば、その時の情勢に合わせた投資判断もスムーズになります。
下落によって手持ちの資産が目減りしたからといって、落胆ばかりはしてはいられません。買い時でもあると思い直し、ここでも冷静に投資判断を下すのがポイントです。
【新NISA】Xや5chで話題の損切り民とは?の解説まとめ
- 下落した時こそ冷静な判断が重要。
- 「損切り民」とはSNSや掲示板で話題になった言葉。
- 損切りは、これ以上損益を増やさないために売却すること。
- 売却しない限り、損益・利益は確定しない。
- 確定していない損益は「含み損」利益は「含み益」と呼ぶ。
- 投資金額の見直しは常に行い、無理のないように設定する。
- 株価の下落は買い時でもある。
話題に上った損切り民について、損切りと含み損・含み益について解説しました。誰でも、自分のお金で購入したものの価値が下がれば、動揺もします。
これ以上損益が増えないよう、売却したくなる気持ちも出てくるでしょう。でも、一度冷静になり、情報を集めるのが先決です。
そのうえで、どうするのが良いのかを判断してくのが、後悔の少ない結果へと繋がります。
損切り民という言葉はありましたが、実際それで損益を少なくできた人も、中にはいるかもしれません。他人がどうこういうのを気にするより、自分の資産は自分で築く姿勢が大切です。