新NISAで資産運用をするうえで、必ず知っておきたいのが「年間上限」です。年間上限を意識せずに運用すると、せっかくの非課税枠を無駄にしてしまうかもしれません。
受けられる恩恵や複利効果までも無駄にする可能性があるのです。
また、新NISAに変わったことで「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用が可能となり、年間上限金額がやや複雑化しました。
それにより「結局いくらなの?」「超えたらどうなるの?」という疑問も増えています。
より精度の高い運用をするためにも、新NISAにおける年間上限を把握しておきましょう!
新NISAの年間上限はいくらか解説!いつからいつまで?つみたて投資枠・成長投資枠で違うの?
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
---|---|---|
年間投資 可能金額 |
120万円 | 240万円 |
非課税 保有限度額 |
1,800万円 (成長投資枠は 1,200万円まで) |
|
投資可能な 対象商品 |
長期の積立・ 分散投資に適した 一定の投資信託 |
上場株式、 投資信託等 |
参考:金融庁「NISAを知る」のページ
さっそく、新NISAの年間上限を解説していきます。年間上限とは、その年の1月1日〜12月31日までの間、新NISA口座で投資可能となる金額のことです。
新NISAの年間上限金額は「つみたて投資枠」は120万円/「成長投資枠」は240万円と設定されています。
「つみたて投資枠」と「成長投資枠」は併用可能なので、合計すると360万円です。これが、新NISAの年間上限となります。
成長投資枠は、積立・一括どちらも利用できますよ。
ちなみに、新NISAには年間上限とは別に「非課税保有限度額」があります。
生涯で投資可能な金額のことで「非課税保有限度額」は1,800万円です。その内の成長投資枠は、1,200万円までと決められています。
新NISAの年間上限を超えたら課税口座を使うか翌年まで待つ!
新NISAの年間上限である「つみたて投資枠」120万円/「成長投資枠」240万円を超えたら、課税口座で投資するか、翌年まで待って投資することになります。
新NISAは非課税口座ですが、課税口座からであれば上限を気にせず投資可能です。課税口座とは、特定口座や一般口座のこと。譲渡益/配当金に対して20.315%が課税されます。
年間上限は1月1日〜12月31日の間の金額ですので、翌年の1月1日からはリセットされます。そのため、翌年まで待つというのもひとつの方法です。
投資に絶対はありません。新NISAの非課税口座で投資しても、その後プラスに転じるかはわからないからです。
もし、投資判断としてベストなタイミングが来ているなら、年間上限のない課税口座を利用した方が利益を増やせる可能性もあります。
可能な限り、新NISAの非課税口座の方が有利だとは思いますが、状況によってはどちらが良いとはいえません。その判断をするのも投資の魅力といえるでしょう。
新NISAでの投資額が年間上限を超えるようなら、課税口座を使うか翌年まで待つ。どちらかの判断をすることになります。
新NISAの年間上限は売却したら復活できる?成長投資枠はどうなる?
新NISAの年間上限は、売却したら復活するかも重要なポイントです。新NISAは売却が可能で、取得金額分の枠を売却した翌年に復活させることができます。
ただ、復活するのは「非課税保有限度額 1,800万円(その内、成長投資枠は1,200万円まで)」です。
「年間上限 360万円(「つみたて投資枠」120万円/「成長投資枠」240万円まで)」ではないことに気をつけましょう。
それと、売却額ではなく、取得金額分という点にも留意してください。枠が余っても繰り越しはできません。
例えば、投資額が非課税保有限度額である1,800万円まで達していたとして、今年取得金額10万円分を売却した場合、翌年に10万円分が復活します。
翌年に10万円がプラスされ、年間上限が合計370万円になるという意味ではないのです。
売却しても、年間上限が360万円(「つみたて投資枠」120万円/「成長投資枠」240万円)よりも増えることはありません。
新NISAの年間上限に関するよくある質問!
新NISAの年間上限に関連する、よくある質問を集めました。
新NISAの年間上限は楽天証券やSBI証券など会社によって違うの?
新NISAの年間上限は一括で埋められる?
年間上限は360万円ですが「つみたて投資枠」は120万円/「成長投資枠」は240万円と内訳が決められています。
そのため、一括の場合は「成長投資枠」で240万円までは埋められるものの、超えることはできません。「つみたて投資枠」は文字どおり積立なので、一括では利用できないのです。
新NISAの年間上限はいくら?成長投資枠は違うの?超えたらどうなるのかのまとめ!
- 年間上限は「つみたて投資枠」120万円/「成長投資枠」240万円の計360万円
- 年間上限の期間は「1月1日〜12月31日までの間」
- 年間上限を超えたら課税口座を使う or 翌年まで待つ
- 売却して復活するのは「非課税保有限度額」の枠
- 年間上限は証券会社によって変わることはない
- 年間上限を一括で埋められるのは成長投資枠のみ
新NISAの年間上限は、運用において重要なポイントとなります。無視してしまうと、思わぬ損失が出てしまうかもしれません。
また、もし年間上限に達した場合でも、課税口座を使う方法があります。新NISAの非課税口座にこだわるか・課税口座で投資するかは、その時の状況判断によって選ぶのがおすすめです。
年間上限を意識して、運用計画の参考にしてください。